『12歳。』と『17歳』に見る少女性

目覚めたての朝にスウィートセンセーション。

 

も く じ

  1. 17歳

  2. 12歳。

  3. 両者の興味の共通点

 

 

17歳

卒業制作でググっていた時に見つけたのだろうか。youtubeの関連動画だったかで出てきた『17歳』というフランス映画の予告を見たのを覚えている。予告はすごくゾワゾワした雰囲気で、暗くて、私の大好物だった。

たまたま、ツタヤに行った時に「17歳」を見つけてしまい、アア!!これだ!!と興奮して手にとった。2014年の映画だっととは、、、テーマは割と時期ものではなく普遍的なものであるから、今の時代にこれを作るかというのが正直な感想。

海外版「パパ活」かと思いきや、出会い系サイトでお金を稼ぐ主人公のかなりメンタルな話だった。これはあれですよ、僕は直ぐに分かりました、またしても電波がビビッと来ました、メンヘラです。というか、僕ととっても似ていた。 

過去記事に書いたことと全く同じ事を言っていて、私は爆笑していた。

「出会い系サイトで男を物色して、チャットして、出会いにこぎつけるのが、ゲームみたいで楽しくて仕方がないの」

こんな感じのことを言っていた。まあ、此奴は賢い女だ、メンヘラの真髄だ。

 

僕はただのアニヲタなので実写映画って全然知らないんですけど、最近良さが分かってきました。メジャーどころがダメだっただけです。表情豊かな海外俳優の眼だけで語る演技とか間がとても面白い。僕はそういうのをアニメに求めていたんだよ。なのでこれからフランス映画を物色します。洋画デヴューです。

17歳(R-18バージョン)(字幕版)
 

 僕の極小洋画知識で感じたのは、フランス映画とか北欧映画の雰囲気って、バットエンドが多い?のか分からないですけど非常に不満足気な終わり方が多いんでしょうか。すごく好きです。

友人にある日連れられて行った映画『ゆれる人魚』というノルウェー映画を見ましたがこの青春期の「少女性」にシンパシーを感じました。

ゆれる人魚(字幕版)

ゆれる人魚(字幕版)

 

 少女が大人の階段を登り、「女」になっていく段階が美徳とされる欧米価値観と、中学生や幼女などの純粋な潔白期間を美徳とする日本的価値観に大きな隔たりを感じる。

1番許せなかったのは予告動画ですね。映画はもっともっと繊細で美しいものだったのに、予告がキャッチーなシーンしか抜粋してなくて、下品なAVの宣伝にしかみえない。お色気シーン目当てで鑑賞したら大間違いである。

「処女からの脱却」といったテーマは日本では少女漫画でよくあると思うが、実写映画なんかで美しく昇華されているものはなかなか無いと思う。実写になるとすぐに下品になる。おっと、、、欧米コンプレックスが増してしまうな。

 

展開自体は結構サクサク進み、処女を失う→なぜか出会い系に目覚める→おっさん釣る→痛い目にあう→警察に捕まる→出生について→健全な男と恋仲→自分の本性はやはり搾取側→出会い系で釣った男の妻と会う、みたいな流れで最後の締めがイマイチ分からなかったのだがこのシーンを入れたからには絶対に意味があるはず、、、、と考えてみる。なんだかな〜最後に大ボスみたいな年配淑女がでてきて、主人公が出会うべき人だったというか完璧なママの姿とかそういう感じかな〜。母子家庭の娘の不安定さとか、まあ小出しにママが1番問題の原点な気はした。これそういうのを描きたかったのか、、、?複雑な問題が絡み合ってるのは分かるんだけど、順序に失敗すると主軸のテーマが薄くなると思うんだよな。

最高に良かった!と言えるものではなかったが変に間延びせずに展開を楽しめるので全然難しい作品ではなく見やすい。

 

 

12歳。

 内容も毛色も全く関係のない『12歳。』という少女漫画原作のアニメがある。

先ほど私が言ったように、日本的価値観でいうとこの年代くらいの「少女性」が(オタクに)もてはやされる。ネット動画のコメント欄にドン引きを超えて爆笑レベルの気持ち悪いコメントが沢山書いてあって、日本の限界を迎えた人らの様子を垣間見ることができて、それを側から見るのがとても好きなのである。

「12歳」「17歳」と年齢をタイトルにするのがやたら好きなようだが、ある種の折り返し地点という意味合いでテーマにしやすいのだろうか。

このアニメ、性的なシーンは一切無いにも関わらず、変態達が想像力を最大限に膨らませ各々の養分にしている。

 

 

両者の興味の共通点

僕は女児向けアニメばかり見てきて、今もなぜか「少女性」を売り出した作品にどうしても惹かれてしまう傾向がある。書いていていい結論が出てくる予感が全くしてこないのだが、両者から何を導きたいんだ。

 

なんかこう、、、、何も知らない子供の時は誰だって純粋な女の子だったのに、賢くなって知恵を付け出すと、どんどん厭らしい存在になって、守られる対象ではなくなる、儚さというか、、、それを「自立」とか「成長」っていうんですけど、「可愛くなくなる」んだよね。

「可愛く無い」という判断の基準が国によって文化的な差が謙虚に感じる。日本は「かわいい」が優勢なので、先ほどの論から直球で言うと、「成長すること」=悪 ってことなんです。だって「かわくいない」から。「かわいくない」人には受け入れ先が無いんです。だから、無理して可愛くなろうとしている人も沢山いると思います。有利に生きる為の強要といった所でしょうか。

「17歳」の感想文を書こうと思っていたのですけど、関連した両者を引き出したことによって、「可愛い」の善悪の話になってしまいました。それを敢えて、作品として仕上げる事によって女性は悩むであろう「葛藤」部分を共感の生みやすいように表現されているので、上手い事出来ています。