『天気の子』レビュー

なんも大丈夫じゃねえええええええええええええええええええええええええ!!!

  

も く じ

  1. 総評

  2. 良い点

  3. 悪い点

 

  • 総評(ほぼネタバレ)

文句しか言えない。

 

万人受けにされた、お決まりテンプレートのような展開に嫌気が差す。ラストシーンは萎えに萎えた。

「君の名は」と似たような作品がまあよくも2回も作れたなあと関心するばかり。お前はいつまで立っても男子劣勢女子優劣の恋愛モノに囚われているんだなと。

最後の取ってつけたような感動要素はなんやねん。。。ずっと白目だった。見たくない。秒速100回見た方が良いわ。大成建設のCMかよ、、、、、、、

 

「で、何が言いたいの???」

映画館から出てきた人に1人1人、内容を理解できたかどうか聞いて見なさいな。パッと答えられる人、ほぼいないよ。たぶん、裏テーマとか細分化された内容の深みは沢山あると思う。しかし大枠として、読後感としてお前が伝えたかったものは「愛は地球を救う」みたいな普遍オブ普遍的なクソテーマでいいのか!?!?おい!!!

論文の補強的な裏付け、取材性、映像の技術力の高さ、キャラの動き・表情、申し分ない。どこから文句の言われることもない屈強なスポンサー陣。世の強みを凝縮されにされたまるで大きな企業広告のような映画。もうお前は大ヒットをして、世界に愛されてしまったから、金が集中している。世界の需要は新海のような現実リアリティ美術に傾いているのだろう。人は簡単にヴィジュアルで物を判断するから、そういう「技術」でしかものを見れないのよ。需要がそこにあるのだから仕方がない。

 

前回の映画キャラクターのサービス起用はぶっちゃけやり過ぎ。神木くんを使いたかったのだろう。というか、主人公の声も神木ボイスに引っ張られすぎて、特にラストの叫び声とか神木寄り過ぎて彼のアイデンティティが消失していた。声優さんが可哀想。クローンじゃないんだからさ、、、

 

  • 良い点

テンポが良い。流れるように展開していく様子は「君の名は」そっくり。音楽にのせた「ライブ感」は確立している。初っ端から視聴者の気持ちを盛り上げてくれる丁寧な流れは本当にどこの誰にも真似できない、新海の強みになっていると思った。今までの作品はそうでもないのに何故だろう。

 

主人公が上京してきて、初めて新宿に来て感じた事、景色、エピソードなんかは、実際に新海が東京に上京して感じた些細な出来事が沢山詰まっている。本当によく観察しているよなあと関心した。共感性の高さは本当にピカイチ。そういう変態的な観察力は本当に好き。

「食事」に関する評価の高いジブリの「観察力」はアニメーション(動き)に対する強みがある。新海の「調理」シーンはかなりの拘りを感じた。だが私は「食」よりも、「都会感」が最高だったと評価したい。空間の「空気感」が本当に本当にリアルで、新宿っていうものをよく観察していて、東京の都会感、建物の汚さや小道具感が素晴らしいと思った。

マクドナルドのイートインスペースの冷たさ、バス通いの都会っ子小学生たちの育ちの良さを感じる会話、坂道、人・物の混み合い具合、よく分からない謎の路地裏感、家賃の安いアパートの掠れたNHKシール、小綺麗な施設の色味の温度。

新宿を中心とした、人との出会い。普通の物語の展開だったら漫画的な奇跡なんだけど、新宿なら有りえなくもない。人が居過ぎて、良くも悪くも何が起こるか分からない。知らない人が多過ぎて、逆に何をしても許される気がする、とかいう気持ちも若干に湧いたり、、、

主人公のような固定された人間環境の狭い島国から抜け出して、東京に飛び出して、人の数だけ自分の身の範疇では抱えきれないほどのよく分からない目的が沢山動いていて、しかし同時に自分の目的に重なった変わりものの有志達も居たり、その混在した人々の中に潜り込んで関わっていく様子が、都会を本当によく表している。私が感じたことと全く一緒だったので。

 

音響には拘りを感じる。室内に居る時の曇った雨の音、湿気が伝わってきて、映画館の中に居ると同時に主人公たちと同様部屋に篭って居るような気持ちになった。

 

  • 悪い点

テンポの良さは、逆に感動を相当に味気のないものにしている。感動要素はあったはずなのに、私の目から涙が全くでてこないのだ。余韻に浸からせてくれる間も無く、細やかなギャグをいちいち挟んでくれるので泣けない。そして、読後感が非常にモヤっとさせてくれたから逆に怒りが湧いてくるのも可笑しな話だが、彼氏に振られた気分。