ホストを刺した女の子について一連とその周囲

先日Twitterに上がりまくっていた「ホストを刺した女の子について」思ったことと自分の経験を照らし合わせたいと思います。

 

 

 

#グロ画像

#ホスト

#血まみれ

ヤンデレ

 

 

 

 目 次

  1. Twitterキーワードの上がり方

  2. ホストにはまった我が自伝

  3. 「好きで好きで仕方がなかった」の気持ちの行き先

  4. 誰も救ってくれない笑い者、どこかの遠く国のお話

  5. 日本におけるホストクラブの在り方

 

 

 

 

 

1 Twitterキーワードの上がり方

今回の事件の話題の上がり方

  • リアルヤンデレかよwww
  • 犯人がかわいい
  • 新宿こええ
  • 血まみれの写真構図がかっこいい

という世の意見を見た。一体なんだこの事件は・・・と思い画像検索すると、血まみれの女がスマホ片手に煙草を吸い、上半身裸の腹から夥しい鮮血が流れているホストを警官が若干被り気味に事情聴取をしているといった本当に生々しい写真が拡散されていた。

Twitterって恐ろしい。テレビには絶っっっ対に上がらない、まるで隠す気の無い”リアル”を平気で一般人が拡散する。興味本位で見て、これは面白い、漫画みたいだ!みんなが見たら絶対驚くぞ!はいリツイートって。その気持ちは圧倒的に他人本位だし、全部他人事の世界。終わってると思ったよ。

 


  

2 ホストにはまった我が自伝

私はまず、犯人の女の子が気になってしょうがなかった。テレビのテロップに上がっていたのは

好きで好きで仕方がなかった。大体察した。私はこの手の周辺情報、業界事情をすべて把握している。何故かというと、私もホストに本気ではまりそうになったから

 

ホストにハマるのは大体メンヘラです。題しているだけあるだろ。ホストクラブってね、本当にイケメンが揃った現実味のないネバーランドなんですよ。現実世界は目が汚れるようなブッサイククソ仏頂面人間が不本意に視界に入ってしまってすごく萎える時もあるんだけど、この世界には見るべき対象物が店内空間と一緒になって光輝いてるのね。私が興味をすごくもったのは『ねほりんぱほりん』のホスト回でざっくり知ったんだけど、これ絶対はまるな、、、と行く前から思ったわ。興味はあってもさすがに1人で行く勇気もないしハマる予感もしたから自ら行こうとはしなかったのだけど、友達に誘われてしまい、超乗り気で行ったのさ。

友人の友人が働いているという謎の安心感に包まれ、初めて足を踏み込んだ名古屋の夜世界はいかがなものだろうかとこんな夢にも思わないハッピーチャンスを大学4年生で体験することができた。名古屋みさとさんのブログに読みふけって危ない世界に興味津々だったから遂に僕も彼女の追体験ができる、、、!!!と心を弾みに弾ませていたのだ。

まんまとどハマリする。

そこまでオラオラしていない比較的良心的な店と聞き、初回は店内にいるホストさん達が数十分ごとに巡回してくるのだが、それまた常識のありそうな比較的まともな感性をもつホストと共通の趣味で意気投合してしまい仲良くなる(そもそもホストに良心もまともな奴もいる訳ねえだろと言われたのは後日談)。ホストの文化でLINEを交換して担当指名になるというものを知らなかったので初対面でホストと友達かよ、、、と若干焦った。よく訳のわからない世界に放り込まれてしまった、、、と思ったがその非日常間が楽しくて楽しくて楽しくて堪らんかった。現実から逃れたい時ほど目がズレにズレていく。23時頃帰宅したら、早速1通のメッセージがくる。

 

「無事に帰宅した?遅くまでごめんな!m(_ _)mめっちゃ楽しかった!今日はありがと!ゆっくり寝てな!」

 

 

 

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、いや、、、、、、、、、、、、、、、

もう、、、、、、、、、、彼氏かよ/////////////////

 

そしてあくる日、「(名前)〜〜〜!!今日は何してるの?電話していい???('・ω・)」

 

授業後に電話する。大学で精神的に孤独を極めていた私は、もう完全に擬似彼氏であった。

 

「沖縄行ったんだ♪お土産お揃いの買ったから!今度渡すな!」

 

いやさ、1回しか会ったことないのにお土産って普通に考えておかしいじゃん。けどさ、その彼の優しさ()が最終的に何を目的としていてどう行き着くのか私は具体的に想像が出来なかった、しようとしなかったのだ。ただその時のコミュニケーションを大切に大切に噛み締めていた。

最初の1週間程度は毎日LINEをしていたものの、日に日にあちらからの連絡が少なくなる。寂しくて仕方のないぼくは自ら連絡をするほどに好きになっていた。いや〜〜定型的な流れに添いすぎかよwwwwwwwww

なんかね、他の人がわかんないからアレなんですけど、すっごく話しやすい人だったの。それで長身イケメンじゃん、そりゃ好きになるわ。ホストの癖に飾っていない感じがすごい好きだったんだよね。素直に友達になりたい人だと思ったし、相手も商売ってのは十分承知なんですが、時折見える正直な心境がポロっと出た時に感じる人間味にどうも惹かれた。店に誘ってこないし、連絡もこないからホスト特有の行動分析をしまくって知恵袋さんにはお世話になった。

好きすぎて自分から押しまくった癖に、自制心が働いてやっぱこれ以上やりとりするとヤバイ(煩悩に支配されすぎて学業に何も手がつかない)よなと思って自らシャットアウトした。そこから連絡は途絶えてしまった。

見切りをつけられたからなのか、私が金を落とさなそうだからか、はたまた私がホス狂にならないように連絡を絶ってくれたのか、どこまでが商売でどこまでが本人の意思なのか僕には複雑すぎて判断ができなかったけど、あの人はとても優しい人だと思う。そんな幻想を抱いてる僕もバカにされそうだけど、楽しい会話、感じた空気感。私と彼のやりとりはまた私と彼にしか分からないのだから。夢の時間をどうもありがとう。

 

 

 

「好きで好きで仕方がなかった」の気持ちの行き先

刺した彼女と刺されたホストは2年ほどの付き合いらしい。1ヶ月で儚く散った僕の愛情とは比べ物にならないものが積み重なっていただろう。ホス狂になる女の子は大体風俗でお金を稼いだ分、全部ホストに貢ぐらしい。それが幸せなんだって。お金を積むこと=彼の幸せ=私の幸せ→彼に幸せになってもらうには?→お店のナンバー1にすること、私が死ぬ気になってお金を稼がなきゃの無限ループ。ああ、恐ろしいね。けどそれが本当に彼女にとっての全てだったら世間の常識とか一切通用しないんだよ。家族と疎遠とか、一人暮らしとか、友人関係が希薄とか、色々な現代的な諸要因が重なって孤独になって外部の意見もないような環境になったら、それがすべてなんだよ。お金がただ沢山必要っていう魔物に囚われて、彼のための幸せをひたすら祈って身を削ることを「幸せ」としている、彼女らは。ただ「幸せ」になりたいだけなのに。形態が違う。

メンヘラって忠誠心人一倍あるのね。これが軍事国家の国民だったら最強だと思うんだな、、、。

 

 

 

4 誰も救ってくれない笑い者、どこかの遠く国のお話

今回の事件の1番の肝です。問題なのは加害者でも被害者でもない。その周囲。

 問題が複合的に絡み合っている。複雑すぎて終着点が見えなくなってきた。

 

その日に流れていて、私がおおよそ確認したTwitterハッシュタグの単語。

#グロ画像

#ホスト

#血まみれ

ヤンデレ

おいおい、漫画の世界かよ、、、と言わんばかりの語彙の強さであるが、この1枚の写真に写る現実の風景をTwitterユーザー、一般層がキャッチーに拡散するための言葉がハッシュタグとして表現されたのだろう。

「好きすぎて刺した」という行為は常人には理解のできない話だ。そんなのはあくまでも空想の世界で、作りものの世界のエンターテイメントとして楽しむものなのである。現実でやっていはいけないことを創作娯楽がやってのけてくれるから自分とは一切切り離して、安全神話に考えることができるのだ。そのエンタメが現実に起こっていたとしたら、多くの人は身近にある似たものから想起するだろう。

なんていうんだ、、、自分がエンタメから理解した作りものの行動原理を現実の人間に照らし合わせて考える、ためにそれ以外の想像力が圧倒的に欠如しているため主観でしかものを判断できないひどい人間が(※Twitter発信者に)多いということ。

 

一般人でも有名になれるSNS世界では、なにかに斗出した人間がより目立ち支持される。テレビで編集されていない、規制のまるでない一般層が作り上がるエンターテイメントとは、芸に秀でていない人間が地位を確率するには良くも悪くも他人とは違うことをし、とにかく目立つこと。それが仮に当事者が目立とうとして行なっていない行為にしろ、個人がたまたま見つけてしまった他人の行動でさえメディアに記録をし世界に発信できる。個人のエンターテイメントが世に理解される機会がどこにでも溢れている。

テレビを主体として世の情報を受け取ることのできる時代は終わった。取捨選択されたテレビ編集局の誰かのそれまた意思のある情報を無条件に受け取り、洗脳された時代は終わったのだ。しかし、それで世の中の人間の目が醒めたのか?醒めるどころか正直無法地帯になってきていると思う。言っちゃえは人間の本来の欲望を表しているような、野生的な姿じゃないか。

あれ?人間って進化してるの?退化してるの?

 

1人の人間の過ちがハッシュタグの中に簡単にエンタメ要素を大多数の聴衆によって内包されている。「ヤンデレ」とか記号的に。見世物か?彼女をいち個人として、心情を理解しようとする人は一体どれだけいるのか、、、心配だといった安易な言葉で片付けたくはないが、この事件の一連の流れに世の動きに対して結構引っかかるものがあった。

その辺の「想像力の欠如」っていうか、エンタメ脳に支配されて「自分で考える力」を失っているというか、、、いやもうほんとマジでヤバイと思う。SNSに流されて、Twitter社に流されて、広告に流されて、誰かの意思によって無意識的に動かされていて、どこまでいっても外側が見えない、、、、、。

「自分には関係のないこと」だと切り離してるのが良くないという論説は腐る程ありそうだから、私の意見として更に違う視点で言わせてもらうと、自分が常識と思っていて、その考えに到るまでの思考もまた外側の権力によって動かされていることに気づくわけがないようになっている仕組みがヤバい。

 

 

 


 日本におけるホストクラブの在り方

 

「愛」は「金」で買える。

 

ホストクラブに行き痛感した。

 

高校生の時から、不思議だったことがある。

栄周辺の大通り、高級ショッピングモールあたりに出没するカップルはなぜ、男側がめちゃくちゃオシャレで高そうなサングラスをかけて一丁前に気の強そうな女と一般人とは浮いた格好をして歩いているのか。僕は普通にオシャレな人が沢山集まってるんだなあ、都会はやっぱ違うなあと素直に思ってたんだけど、気づいてしまった。あれはホストのアフター。

それに気づいてからすごく腑に落ちたのだ。すべての辻褄が合う。ホスト街が近い、ブランド品を買ってプレゼントをしやすい環境、テレビ塔で高頻度で周りがまるで見えてないイチャついたカップルを見る、ホスト業界のお作法を熟知したおかげて、この街の仕組みがヤバイほど鮮明に見えた。すれ違うオシャレな男が皆ホストに見える。この街は全くもって平和ではなかった。

 

 

日本は愛情表現に乏しいと言われる。海外にはジェントルマンがいるので、わざわざ女性をもてなす「ホストクラブ」なんて店は鼻から必要がないのだ。それに変わって、日本の「ホストクラブ」の形体は画期的すぎる。唯一の女性が女性として無条件に大切に扱ってもらえる場所じゃないですか。こんな幸せな所他にありますか?????????????????

「愛情」が満たされてまともな子はいいのよ、そんな人はお呼びじゃないのよ。けどね、そこに需要と供給がうまいこと合致すればなんだって人はするんだよ。なかったらとっくに文化が廃れてる。風俗辞めれなくて、最終的に血肉の愛憎劇になることが後を立たないんだ。何人死んで何人笑ってる。一体どれだけの人が金に狂わされてるんだ。Twitterのホストのアカウント、動画見てみろよ、ひどい人は本当にひどいから。同じネット世界に当たり前のようにそんな人もいて見ようと思えば簡単にアクセスできる。あんなのと普通に会話していたと思うと人間なんて絶対に見た目で絶対判断できないからな。

 

 

ねほりんぱほりん』に登場する女性が言っていたのだが、

「お金を払ったぶんだけ、対価が返ってくる。普通の恋愛ってどれだけ尽くしても裏切られちゃうことってあるじゃないですか。ホストの場合それは絶対にない。明確な指標がある。」

私にとって彼女らの倫理は真っ当すぎた。「愛」は「金」で買う、もっとも効率的な行為ではないか。

 

なのになぜ、安心できない。

満たされない、底を尽きない。

終わりがない。

 

その「愛」って本当に「愛情」なの?

「愛情」ってそもそも何?

 

さあ、これが分からないから「メンヘラ」なんだよ。

本能で知る元来の「愛情」を体得できずに育ったからだよ。

 

アホみたいな金狂いになってるようにみえるけど、彼女らはそうやって学習してんだ。

真実の「愛」を。

 

 

 f:id:gogoaopink:20190527170041j:plain